2011年4月8日金曜日

自炊派向け漢のカレーレシピ『バナナカレー』

単に自炊生活が長かった結果、たまたま調理できる様になってしまい、そこで充足できてしまった人間にとって、外食を味気ないと感じてしまう瞬間や、あまり料理をしない人間から出てくる、○○の味は最高、私のこだわり料理といったハナシは、世の中に多くある、語るに値しない話題である。こう切り捨てることに異論はないだろう。

実際、材料を切って煮てルーを入れればできてしまうカレーは、生活の中で調理そのものと向き合うという意味では、たいして打ち込むべき要素のない料理ということができる。
例えばレトルトカレーをベースにすれば、10分もかけずに、所要時間なりに納得のいくカレーはできてしまう。だがそこで時間をかけることにして、タマネギを長時間炒めてみたり、鶏ガラでスープを取ってみたりすれば、なんとなくそれらしい結果もついてくる。いわゆるカレーライスとは、そんな料理だ。

自分の好きな味を少し模索すると、味の満足度だけなら「母のカレー」を簡単に越えることも可能な筈で、その場所への到達は、ほんのローリエ一枚、ガラムマサラ一振りで達成されることもある。それでも、母親のカレーが特別視され続ける理由はなんだろうか。
家庭に十分普及したカレーライスが得た普遍性は、こんな落とし穴を作ってしまった。カレーは、ありふれているが故の多様さ故に、「とりあえず食えれば良い」という低い要求にも、「なんですかそれ」というこだわりにも等しく応えてしまう。しかも、カレーライスのお店に行く、インド料理のお店に行く、家で食べる。キャンプで食べる。どれも同じカレーでありながら、それぞれ心の中では別物として認識されている。にも関わらず「カレー」は常に、記憶の中で平坦にされ、一緒くたにされるところからスタートする。いざこれを掘り起こしても、「あれも良いけどこれもいい」「カレーってどれもこれも美味しいよね」という他愛も無い場所に収斂していくか、「やっぱりお母さんのカレーだよね」といった、おふくろの味という袋小路の定位置に落ち着いてしまう。

冒頭の「自炊生活が長かった結果、料理できる様になった」自炊派の多くは、とりあえず母親の味であれば、完全にコピーしているか、何らかの手段で越えているか、違うアプローチをすることで対峙を避けているものと思う。少し考えれば、全てのカレーが明確に分かれていく筈で、やはり自分の口に合うものは、よほどフィーリングの合う店を探すか、自分で模索する以外ないのだ。
そんなわけで、「カレー」の範疇に入るであろう調理のレシピを自炊派に提供していきたい。当然、必殺レシピでもなんでもなく、ただ、自分で食うものの味は自分でどうにかできる人間にとって、「ああ、そんな風にやるのか」という程度の情報を書き綴っていきたい。グラム単位で書いてもらえなければ、自分の中で分量が組み立てられないということであれば、今暫く調理をこなすこと自体に向き合うか、誰かに作ってもらうということで、ご容赦願いたい。

『バナナカレー』
熟したバナナを利用した、ひき肉のカレー。
カレーというのは、オイル+スパイスであるというひとつの主義がある。ダシの旨味に呪われた日本人にとって、市販のカレールゥというのはとても都合の良いもので、カレー粉を使ってもなかなか中盤の旨味というか、ボディめいたものが再現できなくて、挫折してルゥに戻っていくケースが多く見受けられる。また、脱サラしてこだわりのカレー屋をというお店の中には、ボディの弱いカレーにスパイスでの解決を挑んでいるお店も多い。
熟したバナナとひき肉の脂は、このボディの問題を簡単にカバーしてくれるので、うっかりバナナを茶色くしてしまって、腐らせてはいないものの、どうしたものかと言う場合には、ぜひ捨てずに試してみて欲しい。

  1. 適度に茶色くなったバナナ。適当なひき肉。タマネギ。塩。胡椒。クミンシード。ガラムマサラ。ターメリック。カレー粉(スパイスは実際のところ適当。個人 的にはカルダモンとかナツメグちょっとだけあると嬉しい。最低限、カレー粉と胡椒を準備)。豆の水煮(五種豆とかのやつ推奨。大豆のみは食感単調)。コーン缶も一応、許容範囲。
  2. タマネギを1/4個ばかりみじん切りにする。バナナも1本〜2本むいて小さく切っておく。
  3. フライパンに油をしく。熱しつつ、クミンシードを放り込んでしまう。熱が回ったら、みじん切りのタマネギも放り込んで炒める。
  4. タマネギの火の通り方はお好みで。ひき肉を放り込む。とりあえず、挽肉に塩。強めに胡椒。
  5. タマネギの汁気やら、ひき肉の油が出てくるので、そこに満を持してバナナを放り込む。
  6. バナナは案外さっくり馴染むので、そこにカレー粉やらガラムマサラやらを放り込んで完成。同時に豆水煮、コーン缶なんぞを放り込んでしまえば、彩りや食感もばっちり。
※ポイント
宿命的にバナナの熟し具合が味を支配する。熟しすぎると少しえぐくなるので注意。
塩辛いのは限度を超えるとヤバいけど、胡椒辛いのはなんだかんだで大丈夫。味の調整はその辺を考慮して自在に!
以外と風味が繊細にぶつかり合うポイントがあるので、具なども工夫次第でかなり楽しめるので、いろいろお試しあれ。

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